Catalyst と HP 2920 間で デフォルト VLAN が通らない話
Cisco Catalyst 3750 と HP 2920シリーズ の Default VLAN の扱いの違いについて。
特に型番は関係ないのですが、検索で見つかるように参考型番として記載しています。
要は L2スイッチ の話ですが、メーカーが異なれば起こりえる内容。
ここでは VLAN は、IEEE 802.1Q のことを指します。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/IEEE_802.1Q)
イーサネットフレームの頭に VLAN ID を加えると VLAN フレームと言います。
(http://ascii.jp/elem/000/000/427/427324/)
イーサネットフレームは、場合によって「パケット」と呼ぶこともあります。
「パケ死」の パケット の事です。
簡易イメージ
通常フレーム :[フレーム]
VLANフレーム :[VLANタグ]+[フレーム]
通常の ネットワークは フレーム のみで成立しているため、
IEEE 802.1Q に対応していないと VLANタグ が扱えません。
VLANフレームは、単純に VLANタグ 分のデータ量が多いのです。
VLANタグ にどんなデータが入っているかというと、
数字 (VLAN ID=番号) が入っています。
VLAN の中身
スイッチA と スイッチB を接続する時は、フレームの受け渡しができるように
それぞれのポートに、VLAN ID を列挙します。
VLAN ID が一致した フレーム だけが スイッチA と B 間を通る事が許可されます。
設定例)VLAN ID 1 と 20 を許可した場合
スイッチA > switchport trunk allowed vlan 1, 20
スイッチB > switchport trunk allowed vlan 1, 20
次の場合、「VLAN ID = 20」の フレーム だけ通る事が許可されます。
スイッチA > switchport trunk allowed vlan 1, 20
スイッチB > switchport trunk allowed vlan 20
デフォルトVLAN の扱い
問題となる Ciscoスイッチ の デフォルト VLAN の扱いですが、
Cisco スイッチ は デフォルトVLAN の時、VLANタグ を付与せずに流します。
一方、HP スイッチ は デフォルトVLAN でも、 VLANタグ を付与・確認します。
Cisco の場合: [フレーム]
HP の場合: [VLANタグ]+[フレーム]
このため、Cisco の デフォルトVLAN のフレームが HPのスイッチ では受け取れません。
これは Cisco スイッチ の仕様になります。
解決方法
とても簡単です。
Cisco の 対象ポート の デフォルトVLAN を適当な VLAN ID に変更します。
> switchport trunk native vlan 999
そうすると デフォルトVLAN ではなくなる為、
Cisco の場合: [VLANタグ]+[フレーム]
HP の場合: [VLANタグ]+[フレーム]
となり、ちゃんと VLANフレーム となるので通信できるようになります。
参考1)自作のフレーム構造チートシートです。
基本的なプロトコルだけ載せています。縦軸がデータ長。
参考2)ネットワークの勉強をしたい方にオススメの本です。
CCNAの参考書ですが、ネットワーク入門書として大変わかりやすいです。
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